本校は令和4年度より、カリキュラム開発を終えたWWL拠点校として、名古屋大学教育学部附属高校が主催する地域コンソーシアムTOKAIに協力・参加しています。3月27日に、同高校が主催するWWL生徒研究発表会が名古屋大学豊田講堂を会場として行われ、本校からは2年生のチームミジュマルが「グローバル」分野の口頭発表の部に参加しました。「消えてなくなるプラスチック」というタイトルで臨んだプレゼンでは、農業の様々な場面にプラスチックが使用され、海への流出が問題となっている現状に着目し、中でも、プラスチックで肥料成分をコーティングしている被覆肥料に対し、医療現場ですでに実用化されている溶けるタイプのプラスチックに代替する可能性について言及しました。フィールドワークとして拾い集めたごみの量と種類から、日本全体の海岸に漂着する海洋プラスチックの量を試算する過程で農業に由来するプラスチックごみの多さに気づいたことや、ポリビニルアルコールを主成分にした水溶性フィルムを被覆肥料に応用できるかについて考えた諸条件について考察してまとめた発表が評価され、「グローバル」分野の参加23チーム中2位に相当する、発表優秀賞をいただきました。

口頭発表の部に加え、ポスター発表の部でも興味深い研究が多数あり、他校の発表にオーディエンスとして参加しながら意見交換をしました。また、名古屋大学研究室見学会も行われ、他の参加者と共に、研究室で研究に励む大学院生や留学生の様子を間近で見ることができました。

名古屋 名古屋

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生徒の感想

  • 発表時間が限られている中で想定通りに発表が進まず、焦ってしまったところがあったが、自分たちの提案する被覆肥料の代替について、スライドを使いながら聞いている人に伝わるように発表することできた。大学の先生方からは新しいアイディアを評価してもらったと思う。アドバイスとして、根拠のあるデータを示すこと、農家の方々に意見を求めるべきという意見をいただいた。やはり自分たちでは気づくことのできなかったことに気づかされ、改善するべきところがまだまだ残っているなと改めて思った。質疑応答の際、自分たちの研究をもっと理解していなければならないなと感じた。他の学校の研究発表も見学した。自分たちで実験して数値を得て考察をし問題提起をしていた化学・生物分野での研究は、特に興味深かった。自分たちでひとつひとつ結果を積み重ねてデータを示していてすごいと思った。また、名古屋大学の見学では、様々な分野の研究において、研究チームがお互いに意見を交換しながら進められていく様子や、充実した実験施設を見学させてもらった。普段見ることのできない研究室の裏側を見させてもらい、自分の将来の進路を深く考えるきっかけとなった。
  • 名古屋大学の研究発表会に参加していちばん難しかったことは、自分たちの発表をどうしたらより相手に伝わりやすいかを考えたことだ。スライドでの発表は流れが作りやすいが、1度しかスライドの資料を見せることができないので、その資料をどう印象づけるか、話し方の工夫が難しかった。他校の発表では、クマムシの体の耐久性を調べていたチームの発表がいちばん面白かったと思う。その高校は大学附属の高校で、大学の研究室でクマムシについて調べていて、より具体的で分かりやすかった。私は文系分野への進学を志望しているが、研究室見学がとても面白いと思った。研究室棟で名古屋大学の学生が真剣に分子を作っている姿を実際に見て、なにかに熱中している人はこんなにもかっこいいのだなと思えた。私も大学での学業や、それに備えた受験勉強に熱中したい。