富士宮高校会議所主催による、第7回日本高校会議所ZOOMオンライン総会が6月16日に行われ、令和5年度学校設定科目「海外研修」履修者の2年生3名と、個人で探究活動を行っている3年生1名が発表を行いました。2年生のチームKYOMIは、ごみの分別について学ぶカードゲームを考案し、学年集会で生徒にプレイしてもらったことを紹介しました。3年生のYさんは、個人的に調査を進めた熱海の防災事情について、アンケートの分析や、避難経路の問題点について紹介しました。発表の後にはアドバイザーの皆様からの講評をいただきました。また、他校の発表に対してもお互いに活発な意見交換がなされました。

参加校・団体:島田商業、富士宮北、三島北、オイスカ、京都府立桂、学生映像制作団体MYSTORY

アドバイザー:文部科学省初等中等教育局教科書調査官林教子氏、大正大学エンロールメント・マネジメント研究所所長福島真司氏、東洋大学国際観光学部教授佐野浩洋氏、金沢大学国際日本学部講師小清水裕子氏、慶應義塾大学環境情報学部1年・株式会社Ligula代表取締役・株式会社Moon Japan取締役今井智紀氏

会議所1 会議所2

会議所3

生徒の感想

  • 私は「熱海の防災」をテーマにして活動しています。近年災害が増えており、私が住んでいる熱海市でも津波のリスクがあるため、熱海の住民が自分で自分の命を守ることができる行動を考えたいと思い、活動を始めました。観光地として栄える熱海ではありますが、一方では、少子高齢化の影響を大きく受け、防災訓練の参加率の低下が問題視されています。高校生の私では、このような複雑な状況の中で、熱海で政策を打ち出すことは難しいと考えていました。ですが、私がプレゼンを終えると、大学教授だけでなく多くの高校生が熱海の災害に対して関心を持ち、「ぜひ、一緒に活動したいです」と言ってくださいました。1人ではできる事が限られてるとは思いますが、高校生同士がお互いの発表にコメントをしあい、有意義な時間を過ごせました。お互いに新たな一歩を踏め出せたと思います。このような機会を作ってくださったすべての方々に感謝します。今日は本当にありがとうございました。
  • 私たちの研究は現在、ごみに対する意識を持ってもらうことを目標として話し合い、動いてきましたが、その目標が達成されたら次に実際にどうアクションするかに関しては、意見を深めることはできていませんでした。そのため、今回いただいた意見を参考にして取り組んでいきたいと思いました。また、私たちの研究に近いテーマの他校のグループも発表していました。そのグループは、異なることを組み合わせてイベントを行っていました。イベントの一部だけにでも興味のある人がイベントに参加することとなり、どんどん輪を広げて情報を広げやすくなり、いい工夫だと思いました。今回たくさんの意見を聞き、イベントは1回行うだけでは意味がなくて、継続しなければならないことを再確認できました。そして、ゲーム性があると達成感があり、継続することができると思いました。色々な視点からの意見がもらえたので、これからの研究に活かしていきたいと思いました。
  • 日本高校会議所総会で様々な学校の研究発表を聞いて、印象に残っていることが二つあります。一つは、それぞれの学校が課題解決に向けてのアクションを積極的に行っていることです。自分たちの研究を実施するためにコンテストに出場したり、それぞれの地域の市役所に協力をお願いするなど、実行に向けての行動力とその量が素晴らしいと感じました。私たちの研究は、ごみの分別に関して楽しく学ぶことができるようにゲームを作成しました。しかし、それを自分の学校の生徒に体験してもらうという時点で研究のアクションが止まっていました。アドバイザーの先生から「ごみの分別について知識、意識を変えることができたら、次はごみを集めることに関するゲームを作ったらどうか」というアドバイスをいただきました。イベントを企画して行ったら研究はそこで終了!ではなく、イベントから新たな仮説や、もっとこうしたらいいのではという想像をして、それを行動に移すことが研究の中で大切なことだと感じました。もう一つ印象に残っているのは、「地元の方にもアンケートをとることで、新たな課題発見のカギとなる」という指摘です。 今回の日本高校会議所総会で、いろいろな学校の研究発表を聞き、自分たちの研究に対する考えの甘さを実感しました。今回の機会を通して学んだことを、今後の発表に生かせるようにしたいと思います。